近年の急速に進む高齢化と少子化、核家族化によって、高齢者の1人暮らしなどが問題視され、一方では、ビジネス的に高齢者を対象とした施設が次々と建ち並ぶようになっています。

日本で最も古い年金は明治8年から交付された「軍人恩給」だと言われています。その後、時代背景と共に年金制度の見直しが社会的に問題視されていますが、実際には、明確な制度の役割とルールが無いまま給付の削減(受取年齢の引き上げなど)と保険料の引き上げが繰り返されてきただけ、という意見が飛び交っているのが現状です。
 
 
年金(年金制度)は、高齢者の生活を支える為に、金銭面で国が補償をする仕組みを持った制度です。1961年から国民年金法が適用になり、1985年の値金制度改正によって基礎年金制度が導入されて今日の年金制度の基盤が出来上がりました。

日本の社会情勢が都市化、核家族化していく中で、それまで家族が支えてきた高齢者の生活が、家族では支えきれていないという現実の上では、社会全体で高齢者を支えるということが必要不可欠になっています。

このような状況の中でも、高齢者が安心して自立した老後を暮らす為の社会的義務として公的年金制度が存在するというのが、一般的な年金の存在意義です。

 
元々の年金制度のあるべき姿は単純で、“働いた分の一部を年金保険料として貯蓄し、定年後や万が一の時に、それまで貯蓄してきた年金保険料を引き出す”というものです。

そして、最低限の生活を送るだけの金額に対する不足分を、国が年金保険料の運用によって生み出された余剰金から補填することで、高齢者が安心して独立した生活を送る基盤と成り得るのです。

今日のように、年金が社会問題になっているのは、管轄の社会保険庁が不透明な年金管理を行ってきたことが原因であることは明白で、さらに、国民にとって住みよい国作りを意識せずに国政を行ってきた国の責任だということが言えます。


例えば、株式やFXなどの投資の世界では、法的に企業の資産と投資家の資産を分別管理することが義務づけられています。

しかし、模範として行わなければいけない国政が、この分別管理(透明性のある年金管理)を行ってこなかったことにより、今日のように社会問題になっていると言わざるを得ない状況を作り出していると思われます。

国の制度として存在する公的年金は古代ローマからあったと言われています。傷痍軍人や戦没者の遺族、退役した人の生活保障の為の年金だったようです。

日本における年金は、1875年に軍人恩給としてスタートしました。明治時代の初期に徴兵制が導入され、1884年からは、文官に対しても適用されたようです。

その後、1939年になり海上労働者向けに船員保険が出来たのが、民間の給与所得者を対象とした公的年金のはじまりでした。

そして、1942年には陸上労働者向けとして、労働者年金保険ができ、1961年になってから自営業者向けの国民年金がスタートすることになり、この時点から国民皆年金になりました。

1986年には、二階建てと言われる現行の年金制度になり、専業主婦も強制加入の対象になりました。その後、1991年には、20歳以上の学生も強制加入の対象に。そして、2004年になり、“マクロ経済スライド制”が導入されました。
 
 
日本において、年金制度ができてから、何度も改訂が行われ、1961年の改訂では“国民皆年金”と言われるまで社会保障が充実してきたということが言えます。

しかし、一方で平均寿命が延びてきたことなどの影響で、改訂ごとに受給年齢が引き上げられ、近く70歳になるであろうと言われている程です。
また、受給額の減額や、年金保険料の引き上げにより、改訂ごとに国民の負担が増加し続けているのが現状です。

現在、年金問題が社会現象のように大きくなっている為、今後も随時、改訂されていくと思われますが、現時点で既に決定されているものもあります。

その一つが保険料です。国民年金保険料は、2005年4月から毎年280円ずつ引き上げ、2017年度には月額16,900円に固定され、厚生年金保険料は、2004年10月から保険料率を毎年0.354%引き上げ、2017年9月から18.3%に固定されることになっています。

本来の年金の目的としては、将来の自分生活を保障する為にあります。つまり、年金制度には、支払う側としての年金と、受給する立場としての年金があることになります。

支払う側としての年金には、大きく3つの年金があり、一般的に「公的年金」と「「個人年金」、「企業年金」があります。

公的年金は、国が行う社会保障政策の一つで、原則的に20?60歳までの国民が強制加入しなければならないもので、国民の義務となっているものです。

一方、個人年金は、各保険会社などが取り扱っている、年金的な金融商品で、加入は個人の任意によって行われます。

企業年金は、企業が従業員の退職後の生活保障を行う為のもので、一般的には、退職金の分割払いに相当します。


●公的年金
現状、公的年金には“国民年金”“厚生年金”“共済年金”の3つがあり、年金料を納める被保険者の業務形態によって異なります。

これらの年金は二階建てと言われており、ベース(一階部分)となる“基礎年金”に上乗せされる形(二階部分)で、厚生年金と共済年金があります。


・国民年金
全ての国民を対象とした年金で、“基礎年金”として支給されるものです。

・厚生年金
公的機関や民間企業など、法人化している全ての団体で勤務している人に義務付けられている年金です。

・共済年金
公務員が加入する年金で、民間企業が加入する厚生年金に相当します。


●個人年金
個人年金は、保険会社などが扱う金融商品の一つである為、その種類は様々です。

一例としては、終身保険、夫婦年金、確定年金、有期年金、などのように支払いの期間による商品や、定額年金、利率変動型年金、変額年金など、支払い金額による商品などがあります。

これらの年金は、加入が任意で公的年金の補助的な役割を担っているということが言えます。ただし、各保険会社との個別契約になるので、契約内容を良く確認する必要がある点や、一部の悪質な企業による被害などの恐れもあります。
 

●企業年金
企業が社員に対して、独自に行う年金制度になります。企業年金には、厚生年金基金、税制適格退職年金、確定拠出年金、確定給付企業年金、中小企業退職金共済制度などがあります。

高度成長期の時代には、終身雇用が一般的で、殆どの従業員が定年まで一つの企業で働くのが当たり前でした。その為、退職後の生活保障の名目で、退職金の分割払いとして企業年金が存在していたようです。

分割払いにすることで、企業は退職金という大きな金額を用意する必要がなくなった事と、受取側には、退職金に利息がつくことで双方にとってメリットのある制度だったと言えます。

しかし、バブルの崩壊と共に企業の業績が悪くなり、退職金などの支払い能力がなくなった企業が続出することになったことから、企業年金の廃止や修正が行われるようになりました。

現在では「退職給付債務」と制度が導入された、新しいタイプの企業年金が主流になっているようです。

本来の年金の目的としては、将来の自分生活を保障する為にあります。つまり、年金制度には、支払う側としての年金と、受給する立場としての年金があることになります。

受給する立場としての年金には、大きく「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3つの種類があり、これらは受給される条件によって変わり、併用して受給することは出来ません。

また、それぞれ基礎年金という1階部分と厚生年金という2階部分があり、支払ってきた立場により、もらえる年金額が異なってきます。

●老齢年金
「年金」と言った場合に最も多く認識されているのが「老齢年金」です。老齢年金とは“老後の生活を保障する為の年金”ということが言えます。

基本的には、国民年金に加入する20歳から定年の60歳までの40年間のうち一定以上の年金を払い続けた場合に満65歳から満額でえ支給されます。

通常は基礎年金と厚生年金の2階建てですが、企業年金にも加入していた場合には、3階部分に企業年金が上乗せになります。一般的に、この3階部分の企業年金は老齢年金にしか適用されません。


●障害年金
公的年金の加入者が、事故や病気などにより一定レベル以上の障害を負ってしまった場合に支払われる年金になります。

障害年金は、1?3級に別れており、その等級によって支払われる金額がことなってきます。
また、満65歳以上の場合は、同じように年金を受け取ることはできますが、障害年金から老齢年金に切り替わります。


●遺族年金
公的年金の加入者が、事故や病気などにより死亡してしまった場合に、その遺族に対して支払われる年金になります。

遺族年金の場合、年金を受け取るのは加入者ではなく、その遺族になります。その為、配偶者や子供、離婚などの条件によって、受け取れない場合や、受取金額が大きくことなる場合があります。

現在の年金制度は、改訂に次ぐ改訂により複雑化してしまい、一般的に年金の仕組みなどを知らなかったり、勘違いしていることが多いようです。
さらに、近年の年金問題により、さらに複雑に感じられるようになってしまっているのかもしれません。


年金の仕組みを複雑にしている一番の要因は、それぞれの受け取る年金の条件が細かく設定されていることや、それまで払ってきた年金料が複数に別れている為だと思われます。さらに、年金を支払う場合も受け取る場合も「年金」という一つの言葉を利用していることから混乱しやすいのではないでしょうか。
それらを簡略化させることで、年金の仕組みが理解しやすくなるかと思われます。


●受け取る年金
年金の受取方法には「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」という3つの年金が存在しますが、これらは受け取る時点での条件が細かく設定されている為、複雑に感じるものだと思われます。

これらを簡略化すると、下記のように言うことが出来ます。
老齢年金
 → 年金加入者が老齢になった時に生活保障をしてくれる年金
障害年金
 → 年金加入者が障害を負って生活に支障をきたす場合に補償してくれる年金
遺族年金
 → 年金加入者が死亡した際に、その遺族の生活保障をしてくれる年金


●支払う年金
支払う際の年金には“国民年金”“厚生年金”“共済年金”“企業年金”“個人年金”などがありますが、企業年金は、その企業独自の年金の為、個人年金に近い存在だと言えます。そして、共済年金は、公務員を対象とした年金で民間企業における厚生年金に相当します。

国民年金は国民が納めるべき最低限の年金に当たり、“国民の義務”となっている年金です。また、最低限の年金に当たることから「国民年金=基礎年金」と解釈されることもあります。
一方、厚生年金は法人に勤める労働者が加入しているもので、その加入は“企業の義務”になっています。

一般的に、「国民年金に加入」「厚生年金に加入」という言われ方をしますが、「国民年金に加入」しているという事は、基礎年金分を支払っていることになります。

一方、厚生年金は、基礎年金に上乗せされた年金のことを指し、個人年金のように単独で加入することは出来ません。つまり、上乗せ分の厚生年金に加入しているという事は、そのベースとなっている基礎年金にも加入している事になります。

一般的に厚生年金と基礎年金の関係を「二階建て」と言いますが、支払っていた立場が異なることで、プラスα分の厚生年金が加算されているかどうかの違いでしかありません。

つまり、ベースになっている基礎年金さえ理解すれば、その他の上乗せされた厚生年金や企業年金なども理解がしやすくなると思われます。

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