公的年金を管轄している国の機関として「社会保険庁」があります。社会保険庁は、国民皆年金制度の開始に伴って、1962年に発足した厚生労働省の外局になります。

近年の年金問題で何かと耳にすることの多い「社会保険庁」のそもそもの役割とはいったい何なんでしょうか。


フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、下記のように説明されています。
『政府が管掌する健康保険事業、船員保険事業、厚生年金保険事業、国民年金事業等の運営を任務とする行政機関。』(最終更新 2007年6月14日 (木) 09:51)

また、ある雑誌のインタビューにおいて当時の厚生労働大臣は、社会保険庁の仕事を大きく“政府管掌健康保険・年金保険・船員保険の管理運営”、“年金福祉施設などの運営”の2つだとしています。


●政府管掌健康保険・年金保険・船員保険の管理運営
当サイトで取り上げている公的年金と健康保険の菅理運営を指します。

健康保険に関しては、大きく「組合健康保険」「政府管掌健康保険」の二つがあり、大手企業やグループ、または業界単位の団体(組合)が管理運営している「組合健康保険」以外のものを「政府管掌健康保険」と呼び、この中に「船員保険」も含まれて呼ばれることがあります。

健康保険は強制加入ではなく、組合保険に関しては国の管轄でもありません。しかし、社会保障の一つとして大きな役割を果たしている制度になり、その制度の管轄運営を社会保険庁が行っていることになります。

●“年金福祉施設などの運営”
全国には、265の年金福祉施設があります。それらの施設の運営と、その施設の建設を行っているのが社会保険庁の主な事業の一つになります。

年金福祉施設とは、国民年金、厚生年金、健康保険として集められた資金を利用して建設された施設で、その名目は、“年金福祉施設により国民に豊かな生活の場を提供する”と共に、“その運営により得た利益を、国民に支払う年金の補填に利用する”というもののようです。

現在、この年金福祉施設は2010年を目処に、全てを廃止、または売却することになっているようなので、社会保険庁の主な業務のうちの一つが無くなることになります。

近年、年金をはじめとした問題が頻繁に報道されていますが、これらの社会保険庁は、今後も後を絶たないと言われています。これらの数々の問題の原因とされるのは、社会金融庁の体質にあると言われています。


数々の報道機関で社会保険庁のバッシング記事が掲載されていますが、その内容の一つは、「不正行為をして、その不正行為を全く悪いことだと考えていない点があります。

年金問題が大きく取り上げられる2年ほど前にも社会保険庁の不正事件が大きく報道されていました。

その事件は、社会保険庁に集まる大量の個人情報のデータベースを目的外で閲覧した上に、報道機関にその情報を売ったという事件です。

個人情報の取り扱いについて大きな問題となっているにも関わらず、より意識を高めなければ行けない政府機関の職員が起こした事件でした。

このように大きく報道されているにも関わらず、社旗保険庁の体質は一向に変わらず、平成 16 年の調査で、 1574 人もの人間が目的外閲覧をしていたと発表されています。

個人情報保護を先頭に立って守っていかなければならないはずの国家公務員が目的外閲覧を悪いことだと認識せずに行っていたということになり、一般企業で重要視されているコンプライアンスは「社会保険庁にはない」とするのが一般的な認識になってしまっています。

他にも、“自浄能力の低さ”が大きく取りだたされています。
具体的な証拠として、個人情報を売った事件当時の調査で、自ら目的外閲覧を申告した人は 699 人だったそうです。そして、虚偽の申告で目的外閲覧を否定した人は 875 人にものぼり、この人数は後に磁気カードの履歴で判明した人数(1574人)の 55 %超にもなりました。

社会保険庁は、再発防止策として『意識の啓発』、『管理・監視の徹底』、『人事政策への反映』などをあげて、刷新をはかるとしましたが、その後に判明する年金問題に関わる不正手続きの件などを見る限り、“全く改善されていない”と言わざるおえません。

近年の不正事件をはじめとする社会保険庁の問題で、社会保険庁の改革の必要性が、大きく取り上げられています。


●社会保険庁改革
社会保険庁の改革案として現在決定しているのは、下記のような内容のようです。ただし、それぞれの思惑で各政党がバッシングし合っている現在の国会の状況から、今後、その内容が遂行されるかは不透明だと言われています。
 
  
新組織
・ 2008年10月、社会保険庁から分離
1.健康保険の新たな保険者である「全国健康保険協会」(非公務員型公法人)
2.保険医療機関の指導監督等の部門(地方厚生局)

・2010年1月、社会保険庁の業務を移行
3.公的年金の運営業務を担う「日本年金機構」(非公務員型公法人)
4.公的年金の財政責任・管理運営責任を担う部門(厚生労働省)
船員保険を労働保険と全国健康保険協会に移管し、社会保険庁は廃止。
 
 
様々な経緯のもと、このように決定している社会保険庁改革ですが、その問題点も数多くマスコミにより取り挙げられています。

例えば、「“非公務員型公法人”とうたっているものの、結果的に現在の社会保険庁の職員が運営するのであれば、悪い体質を変えることが出来ず、根本的な解決にならない」や、職員はもとより、これらを管轄する国家公務員の体質が改善されなければ、表面上が変わっただけで中身が変わらない」などです。
 
また、他のニュースにより、この年金や社会保険庁の問題が水面下に潜ってしまうことも問題点として指摘されています。

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